小林研一郎/日本フィルの演奏会(1月16日)

昨日1月16日、コロナ禍の中、小林研一郎(以降「コバケンさん」と省略します)指揮日本フィルハーモニー管弦楽団(以降「日フォル」と省略します)を聴きに行きました。場所はサントリーホールです。
管理人が音楽のコンサートを聴きに行くのは、昨年2月サントリーホールでアンネ・ゾフィー=ムターとランバート・オーキスの共演を聴いて以来、11ヶ月ぶりのことでした。
この間、コロナ禍のため多くのコンサートが中止される中、個人的には、苦境にあるオーケストラを少しでも助けるためコンサートに行きたい気持ちを持っていたのですが、管理人は基礎疾患を有しているので、逸る気持ちを抑えていたのです。しかし、コロナの感染拡大が始まって1年が経過し、常時マスクを着用し、ソーシャル・ディスタンスを守り、人と会って話をする時は必ずマスクを着用、複数人での飲食を避ける等の行動を心がけていれば、感染リスクは非常に小さいことが明らかになってきたように思います。それで、久しぶりに実演を聴きに行こうという気持ちになったのです。

昨日のプログラムは次の通りでした。

チャイコフスキー: ロココ風の主題による変奏曲イ長調op33(チェロ独奏: 水野優也)
(休憩)
マーラー: 交響曲第1番「巨人」ニ長調

管理人がコバケンさんの演奏を聴くのは、3年ぶり3回目です。日フィルを聴くのも3年前にコバケンさんの指揮で聴いて以来なので、3年ぶりということになります。
また1曲目のチャイコフスキーでのチェリストを務めた水野優也さんは、プログラムによると、1998年生まれの新鋭で、昨年の日本音楽コンクールで第1位を取った方ということでした。これまでに東響、日フィル、読響等との共演の経験があるようです。もちろん管理人にとって初めて聴くチェリストでした。

さてチャイコフスキーの「ロココ風の主題による変奏曲」ですが、管理人にとって少なくとも5年は聴いていない曲でした。録音はシュタルケル/ドラティ、ロストロポーヴィチ/小澤盤を持っているのですが…。
冒頭の旋律を聴いてすぐ、あの曲か、と思いました。チャイコフスキーらしい民族的で甘美な旋律で始まる上、独奏チェロに見せ場のある曲です。演奏時間は約18分で協奏曲としてはやや小規模です。
水野さんの演奏はしっかりとした優等生的なものでした。辛く言えば自由さ、のびのび感が足りないように思いましたが、まだ22歳の青年にそのような注文をつけるのは酷というもの。将来が嘱望されるチェリストであることは間違いないと思います。
「ロココ風の主題による変奏曲」の終了後、水野さんによるアンコールがあり、曲はバッハ「無伴奏チェロ組曲第1番」より第1楽章でした。

休憩の後、昨日のメインプログラムであるマーラー「巨人」です。マーラーを重要なレパートリーとするコバケンさんにとって、これまで何十回と演奏してきた曲だろうと思います。
3年前にコバケンさん/日フィルの演奏を聴いた時は、メインはブルックナーでした。
管理人はブルックナーのファンなので、ブルックナーを聴きたくてコバケンさん/日フィルの演奏を聴きに行ったのを覚えていますが、その時はコバケンさんとブルックナーの相性の問題を感じたのを覚えています。
しかし昨日はコバケンさんの得意とするマーラーなので、その心配はありません。レンジ幅が大きく、ダイナミックなマーラーでした。中でも終楽章での怒濤のフォルテシモはまさにコバケン節でした。
全身(特に膝、腰)を使ってのエネルギッシュな指揮は、「炎のコバケン」と呼ばれるコバケンさんならではです。コバケンさんは今年で80歳を迎えられるということですが、とてもその年齢とは思えませんでした。管理人は昨日前方のオーケストラに近いバルコニー席で、コバケンさんのほぼ真横の席だったので、コバケンさんの熱演ぶりをよく見ることができました。

日フィル(昨日のコンマスは木野雅之さんでした)は、3年前に聴いた時は普通のオーケストラという感想を抱いたと思いますが、昨日聴いてみるとなかなか堅実なオーケストラだと思いました。また日本のオーケストラのウイーク・ポイントと言われることのある管楽器が健闘しているように思いました。

なおコバケンさんはマスクを着用しての演奏でした。
日フィルの団員は、管楽器奏者は当然マスクを着用していませんが、弦楽器・打楽器奏者はマスク着用者と着用していない人がほぼ半々でした。奏者同士は演奏時に1メートル以上のソーシャル・ディスタンスが存在するので、マスクを着用していない奏者は着用しなくても感染リスクはないとの判断からだろうと思いますが、ここは全員にマスクを着用してほしかったと思いました。

アンコールはありませんでした。コロナ禍のためコンサートを早めに終わらせようとする配慮からだと思います。

演奏終了後、コバケンさんから聴衆に向かって謝辞が述べられました。
こんなに多くの皆さんに来て頂いたおかげで僕たちは会心の演奏をすることができた、コロナ禍にあって文化を縮小しようという方向に動いているが、今日多くの皆さんと時間を共有することができたことが芸術の真の価値を明らかにすることを願っている、という内容だったと思います。
また最後にコバケンさんが、「皆さんお気をつけてお帰りください」と言われたのですが、コバケンさんの優しいお人柄が感じられました。

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