ブレンデル&アバドのブラームス「ピアノ協奏曲第2番」

東京では、一昨日までの大雨・大嵐から一転して、昨日・今日と好天気に恵まれた。一年中の今日のような日だったらよいのに、と思わせるような晴天だった。こういう秋の天気の良い日にブラームスの名曲・ピアノ協奏曲第2番はよく合うのではないだろうか。そう思って、アルフレッド・ブレンデルのピアノ、クラウディオ・アバド指揮ベルリンPOの演奏で聴いてみた。録音は1991年の9月である。

まず第1楽章の冒頭のホルンの独奏とそれにピアノが応える開始部分に魅せられる。いかにも緑豊かでのどかなオーストリアの美しい田園風景が想像させられる。その後、力強いピアノとオーケストラの協奏が繰り広げられる。第2楽章は緊張感のある短調のピアノ独奏に始まり、明るい中間部を経て力強く終わる。第3楽章は緩徐楽章だが、この曲の白眉だと思う。ロマンティックなチェロ独奏にピアノが応え、さらにオーケストラも続いて美しい曲をつくっていく。第4楽章は、ピアノとオーケストラが、あるところでは力強くあるところでは優美に、「協奏」を続け、クライマックスに向かっていく。

聴き終えて、この曲が「協奏」曲として非常に高い完成度を誇るものだ、ということを感じた。ブレンデルのピアノはもちろん立派で非の打ち所のないものだが、アバド指揮ベルリン・フィルのバックがすごく良い。アバド時代のベルリン・フィルは、よくカラヤン時代と比較されあまり高い評価を得られなかったようだが、この演奏を聴くとそうした評価に異議を申し立てたくなる。ベルリン・フィルらしい弦楽部の重厚で力強い側面が、アバドの手腕により引き出されている。このブレンデルとアバド指揮ベルリン・フィルの共演は、スリリング・即興的な面はないが、よく研究された完成度の高いもので、協力して演奏するという本来の意味での「協奏」が達成されている。ぼくの聴いた中では、この曲随一の名演だと思う。

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