ABQのモーツァルト「弦楽四重奏曲第14、17番」

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今日の東京は好天気に恵まれた。気温も上昇し、道端や電車の中から見える桜は八分咲きくらいまで咲いているように見えた。ちょうど今週末に満開を迎えることになりそうだ。一年で一番気候の良い季節ではないだろうか。

春にちなんで「春」の仇名を持つモーツァルトの弦楽四重奏曲第14番K387を聴いてみた。同じCDに併録されていた弦楽四重奏曲第17番「狩」K458も聴いてみた。K458の方は「狩」の仇名からいうと秋の方が聴くのにふさわしいのかもしれないが、やはり今日のような温暖な良い日に聴きたい曲だ。演奏はアルバン・ベルクSQである。ただし1980年代後半のEMIへの録音ではなく、1970年代後半(K387が1977年、K458が1979年)のテルデックへの録音である。従って、第1vnのギュンター・ピヒラー、vcのヴァレンティン・エルベンの他、第2vnがクラウス・メッツル(K458の方はゲルハルト・シュルツ)、vaがハット・バイエルレの初代メンバーである。

この両曲はともに名曲であり、本来一口に論じてはいけない。しかし明朗な曲想、急―急―緩―急の4楽章構成など似ている。両曲とも明るく活発だが、緩徐楽章では何か深淵を垣間見させるようなものがある。どちらかというとK458の方が活発で、ぼくは同曲のリズミカルな第4楽章が昔から大好きでいる。聴いてみて、ともに今日のような陽気の日に聴くのにふさわしい曲だと思った。

アルバン・ベルクSQ(ABQ)の演奏は、各奏者の技術の高さ、アンサンブルの精緻さ、ピヒラーのリードといったABQの特徴はすでに顕著に現れているものの、テルデック時代らしいフレッシュさが残っている。少数意見かもしれないが、ぼくはABQのモーツァルトは、後年のEMIへの熱く濃い録音よりも、このテルデック時代の節度の感じられる録音の方が良いように思う(実はぼくはABQのモーツァルトのEMIへの録音は中古店に売却してしまった)。

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