ホロヴィッツのシューマン「クライスレリアーナ」

今日の東京は晴れましたが、北風が強く、暖かさがあまり感じられない1日でした。冬晴れのような1日でした。
今日は、ウラディミール・ホロヴィッツの演奏するシューマン「クライスレリアーナ 作品16」を鑑賞しました。1969年12月1日の旧CBS(現ソニークラシカル)への録音です。

クライスレリアーナは、「子供の情景作品15」や「交響的練習曲作品13」と並び、シューマンのピアノ曲の中で最も有名な作品です。ぼくの個人的には「幻想曲作品17」が最も好きですが、シューマンのピアノ曲の傑作というと、「交響的練習曲」「幻想曲」、それに今日聞いた「クライスレリアーナ」あたりが衆目の一致するところではないでしょうか。
なおこれらのピアノ曲はすべて、「ピアノの年」と言われる1838年、シューマン28歳の年に書かれています。

「クライスレリアーナ」は、全部で8曲の小品で構成されています。
 第1曲 極度に感動して
 第2曲 たいへん心をこめて、あまり性急でなく
 第3曲 大いに興奮して
 第4曲 非常にゆっくりと
 第5曲 たいへん生き生きと
 第6曲 非常にゆっくりと
 第7曲 たいへん性急に
 第8曲 速くそして遊びながら

このように急・緩・急・緩・急・緩・急・急の順に続いており、たいへんに起伏の激しい曲です。
内容は、まさに「シューマニアーナ」の世界。激しい情熱のほとばしり、幻想味、心優しさ、どこかしらに感じられる狂気、そういった要素が入り乱れ、混在しています。
作曲当時のシューマンは後に夫人となるクララ・ヴィークに対する熱烈な恋愛の真っ最中だったとのことで、そうしたシューマンの内面の情熱がそのまま作品になって現れたのでしょう。

ホロヴィッツの演奏ですが、ものすごい名演だと思います。
スタイルとしては、アルゲリッチのDG盤に似た奔放な演奏です。アルゲリッチはホロヴィッツを尊敬していたとのことなので、これは当然のことなのかもしれません。
デモーニッシュな迫力、この演奏至難な曲にもかかわらず完璧なテクニック、輝かしさ、それにアルゲリッチが雑に弾き飛ばしているように感じられる部分があるのに対し、ホロヴィッツの演奏は隅々まで、彼の感性が行き渡っているようです。
これ以上は考えられない、名曲の名演奏だと思います。

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