ポリーニのシューベルト「ピアノ・ソナタ第21番」

東京では昨日・今日と2日続けて、朝から晩まで雨が降り続けています。
台風が接近しているせいだそうですが、せっかくの土日なのに残念なことです。

今日はマウリツィオ・ポリーニの演奏するシューベルトのピアノ・ソナタ第21番変ロ長調、D960を鑑賞しました。録音は1987年6月です。

シューベルトのピアノ・ソナタは、ぼくがクラシックを聴き始めた1970年代後半にはあまりポピュラーではなかったように思います。しかし80年代後半にアルフレッド・ブレンデルの再録音が現れた頃から人気が沸騰し始め、今ではピアニストにとっても重要なレパートリーとなったのは、ぼくのようなピアノ・ファン、シューベルト・ファンにとって本当に嬉しいことです。
そして、当時のことを正確に憶えているわけではありませんが、このようなシューベルトのピアノ・ソナタ人気沸騰に一役買ったのが、今日聴いたポリーニのシューベルト録音(後期3大ソナタとアレグレットD915、3つの小品D946を合わせて2枚組での登場でした)の出現だったのではなかったでしょうか。
当時2枚組の新譜は6000円以上と高価だったのですが、ぼく自身は、出てすぐの頃に迷わず買った記憶があります。

今日聴いた21番は最後のソナタで、本ポリーニ盤で41分以上という長大な作品です。
いつまでもどこまでも、天国まで続いていきそうなくらい息が長く、そのうえ歌謡的な旋律の美しい作品です。
シューベルトの亡くなった年の作品ですが、死の影に取り憑かれている、というより、既に彼岸の世界に到達してしまった音楽のようにも聞こえます(特に第1楽章)。
今日あらためてポリーニ盤を聴いて、その息の長い美しい魅力を満喫することが出来ました。至福の一時でした。

ポリーニの演奏は彼らしく主観を排して、客観的にシューベルトの音楽を再現しようとする演奏です。曲の純音楽的な美しさを浮き彫りにする演奏だと言えると思います。また今日聴いて、ポリーニにしてはずいぶん穏やかに繊細に弾いているなあと感じました。
この曲には名演が多いですが、本ポリーニ盤もかなりの名演だと思います。


追記 シューベルトの「ピアノ・ソナタ第21番」については、過去にケンプ盤についての記事を書いたことがあるので、その記事を自己TBします。
ケンプとポリーニというと、一般には全く正反対の演奏スタイルのように考えられています。ぼく自身もずっとそう思ってきました。しかし、変なことを言うようですが、このシューベルトを聴く限り、両者の位置は意外に近いのではないでしょうか。

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